HIROSE COLLECTION

Artists

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Carl Andre |カール アンドレ

1935年、マサチューセット州クインシーで生まれる。

1950年代よりブランクーシに影響を受け、木を組み合わせた作品を制作する。
1958年、ステラとアトリエを共有し影響を受ける。
1960−64年鉄道貨車の助手として働きながら、既製品を積み重ねる作品を制作。
1965年、最初の個展。
1966年、耐火レンガを床に1列に置いた「レヴァー」を発表。以後、ブロック、金属、石など、素材を加工しないで床に広げた作品を制作。
1970年、東京ビエンナーレ「人間と物質」展に参加。

お知らせ
  2012年8月11日(土)午後4時からヒロセコレクション1周年を記念して講演会を開催します。
 演題:「カール・アンドレと1970年代の美術の潮流について」
 講師:渡部葉子(慶応義塾大学アートセンター教授)
      神谷幸江(広島市現代美術館チーフキュレーター)
 場所:ヒロセコレクション展示場
 聴講料無料


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作品名:東と南の方向
制作年:1975年
材料:西洋赤ヒマラヤ杉
大きさ:1ブロック30.5 x 30.5 x 91.5  cm  全体 91.5 x 91.5 x 122 cm

鉄道の枕木らしい工事に切り出したままの味も素っ気も無いただの木のブロックだけで構成された作品、このラディカルさに惚れ込んでしまった。
見ていると、迫ってくるような圧倒的存在感がある。こんな簡素な作品が不思議な感じだ。

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作品名:11、13の基数の組み合わせ 11、13Prime Couple
制作年:1976年
材料:銅板
大きさ:1枚 0.5 x 50 x 50 cm、全体 0.5 x 150 x 650 cm

11、13という数を主題にした作品。作品の水平への広がりが作品として成り立ちうると主張するのに数が手段として使用されているのか、又は物質は数で構成されている、或は更には世界が数で構成されているという哲学的意味が込められているのか。いずれにしても不思議な受けてへの重いエネルギーの放出が感じられる。世の中の優れた作品から受ける感覚と同じだ。
 
中村笙子さんという方が見に来られて、1976年パリに行かれた時に、ある画廊でこの作品が展示されており、衝撃を受け、またここでこの作品に会い、上を歩いたらボーっとしたと言われていたそうです。
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作品名:12番目のアルミニウムの基数
制作年:1978年
材料:アルミニウム
大きさ:1枚 0.5 x 49.7 x 49.7 cm   全体: 0.5 x 149.1 x 198.8 cm

12という基数の作品。これは日本で作られている。アンドレは素材としてアルミニウム、銅、鉄、亜鉛、鉛、石、木材、ブロックなど様々な材料を使っている。加工はしない。切り出したままの材料をただ並べるだけだ。加工してない事がむしろ素材の持っているエネルギーが直に伝わる。素材による受ける感触が少し異なる。木は暖かみを感じ、アルミニウムはクールな感じを、銅は重い光を感じる。